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Laboratory for Plant Cell Technology, Research Institute for Bioresources and Biotechnology, Ishikawa Prefectural University.

研究内容(大谷基泰 准教授)HEADLINE

研究分野:植物組織培養を農業生産や環境保全に役立てることを目的にした研究

  植物の組織培養技術は一部の例外を除き、植物バイオテクノロジーの基盤技術となっています。したがって、組織培養技術を開発することによって初めて研究対象とする植物種へのバイオテクノロジーの適用の可能性が生じることになるわけです。私達は研究対象とする植物種の組織培養技術を開発し応用する研究をしています。

現在は主に3つの研究テーマについて研究を進めています。
  1. サツマイモの分子育種学的研究
 サツマイモは食糧や飼料だけではなく工業原料用作物としても大変重要な作物です。私達はサツマイモ澱粉の新たな需要開拓のために、澱粉合成に関与する遺伝子群を明らかにし、それらを操作して新規有用澱粉を持つサツマイモの育成を目指しています(図1、2)。また、茎葉利用品種やカロチン品種などの高付加価値化を図るために様々な有用遺伝子群を導入した形質転換サツマイモの作出もおこなっています。

  図1.  サツマイモの胚性カルス(再分化能力が非常に高い培養細胞の集塊)


  図2.  遺伝子組換えに成功したサツマイモの細胞集塊(緑色や白色のもの)


  1. 稀少野生および園芸植物の組織培養による保護と増殖
  石川県に自生する野生植物の約3割が絶滅の危機にあります。そこで石川県内に自生する野生植物のうち絶滅のおそれのあるものや園芸的な利用価値の高い植物種について組織培養技術を開発して、それらを試験管内で保護増殖することを目指しています(図3)。さらに、本研究で開発された技術を他の地域に自生する絶滅のおそれのある野生植物種や園芸品種についても適用できるかどうかを検討しています。

  図3.  石川県の絶滅危惧植物オオサクラソウの葉片からの不定芽分化


  1. 花卉園芸植物および郷土野菜組織培養利用した有用突然変異体育成および遺伝子組換え技術の開発
  組織培養技術を用いてアヤメ科やサクラソウ科、ヒルガオ科といった花卉園芸植物や金時草といった郷土野菜の有用突然変異体の育成および遺伝子組換え技術の開発をおこなうことによって新規の有用品種の育成を目指しています。





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