Laboratory for Plant Cell Technology, Research Institute for Bioresources and Biotechnology, Ishikawa Prefectural University.

  近年、植物根圏のプロテオーム解析により、植物の根から様々な病害応答タンパク質（PRタンパク質）やプロテアーゼなどが分泌されていることが明らかになりました。高等植物のモデル植物であるシロイヌナズナやイネを研究対象に、植物における根圏外分泌型プロテアーゼの生理的機能の解明を目指しています。

  図１. 外分泌性プロテアーゼの活性測定のために水耕栽培したシロイヌナズナ

2. 食虫植物における消化システムの解明

  食虫植物の一種であるウツボカズラを研究対象に、獲物の分解に係わる酵素類やタンパク質の同定および酵素化学的解析、遺伝子発現解析等をおこない、食虫植物の消化システムの解明を目指しています。ウツボカズラ捕虫器溶液のプロテオーム解析の結果、キチナーゼやグルカナーゼ、ペルオキシダーゼ、タウマチン様タンパク質などの病害応答タンパク質（PRタンパク質）やアスパラギン酸プロテアーゼであるネペンテシンIやネペンテシンIIが同定されました（研究業績20、25）。

  図２. ウツボカズラ（Nepenthes alata)捕虫器の発達段階
     葉の先端から伸びたつるの先にある捕虫器の原基（左）は徐々に成長し、
  やがて蓋が開き、獲物を捕らえることができるようになる（右）。